しがないサラリーマンのブログ

昔はバンドにのめり込んで 、いまは写真を撮るのがちょっと好きで、産まれたばかりの娘が溺愛している、いつかコーヒー屋をやりたいなーと思っている海外駐在員としてアメリカ在住のしがないサラリーマンのブログ・・・。

ボーダーラインという映画をみた

原題は、シカリオ。
なんでボーダーラインにしたんだろうか・・・。
シカリオとはメキシコカルテルの殺し屋をさす言葉。

 

警察もカルテルもみんなシカリオに見えるし、
正義と悪とは一体なんなのか?ということを考える映画になる。

 

メキシコのカルテルを退治するというはなし。
「えらいことしたければ偉くなれ」、という和久さんの言葉を思い出す。

 

メキシコのカルテルって極悪非道ってイメージがあるけれど
この映画でもしょっぱなからその残虐さがお目見えする。
それにしてもヘビーなシーンがど頭から・・・。

 

人質を救出するために、とある家への突入するシーンから始まるわけだけど、
35体を超える死体が家のそこかしこから出てくる。

現場検証をしているさなかには、爆弾でさらに死傷者がでる。
捜査している人たちはみんな嘔吐する。

この映画の主役ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)も同じく。
勝手に鋼鉄の女なのかと思っていたけどそうではなかった。

sicario3

ビニールに包まれた死体の顔部分がなんども映し出されるっていう。
ソノラのカルテルの残虐を嫌というほど叩き込まれるシーン。
FBIといえでも人の子。みんな恐怖を感じているといったところ。


その後、別チームからお誘いを受けて今回のストーリーの主題へと入っていく。
そこで登場するのが、CIAのマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン
彼にケイトは引き抜かれる。

sicario7


ターゲットはマヌエル・ディアスというソノラカルテルの米国でのボス。
その人にはギエルモという兄がいる。さらに従兄弟のファウスト・アラルコン。
この従兄弟はソノラのNo.3のようだ。

ギエルモ(今回のターゲットの兄)に会いにエルパソの周辺に行くという。

でも、飛行機の乗せられた時に、目的地がエルパソ(アメリカ)ではなく、
フアレス(メキシコ)ということを知る。

そこで、その昔、メキシコで検察官をやっていたという、
アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)というメキシコ人に出会う。

 

この役者の絶対的な感じはすごいと思った。
飛行機の中で、うなされているシーンが出てくるが、
これが家族の惨殺が原因だということが最後にわかる。

 

彼のセリフで印象に残るもの。
「Nothing will make sense to you American,
 you will doubt everything what we will do. But in the end, you will understand」

 

お前らアメリカ人には我々がしていることは理解できない。
でも最後にはわかるだとう、的なことを言っている。

 

ギエルモを裁判所から移送する途中、問題が起こる。
この一連のシーンの緊張感はすごい。結果的に全員殺す。
米国人がメキシコで人を殺すということの意味はあとでわかった。
これじゃ戦争だってことね。
このシーンでケイトが撃った相手はメキシコの警察っぽい。
どうみても、カルテルって感じの装いじゃない人だった。
ここで正義と悪が早くも交差する。

sicario2

 

本編にどんな風に関係するのかわからないけど、
ケイトは[Indian Creek]というタバコを吸っていた。見たことのない銘柄。

 

いよいよ話はクライマックス。
カルテルの大ボスのファウスト・アラルコンを殺しにいく。


一般市民の警察官。家族と平和に暮らす姿が描写される。
きっとカルテルに加担しなければ殺されてしまうのだろう。
ここでも悪が容赦なく描写される。

悪と対局にいるはずの正義が、正義の味方であるはずの警官を殺す。
昔この地域でドラッグを支配していた。
実はコロンビアのカルテルに雇われていた。
家族と娘を殺した敵に復讐するために。
ほんとうに凄みがある役者だった。
sicario1

この映画で唯一の黒人でケイトの相棒のレジー。
なぜ黒人の彼が配役されたのか。
人種差別にうるさい米国は白人だけのドラマを好まないというのはよく聞くけど、
それが理由なのか・・・?