しがないサラリーマンのブログ

昔はバンドにのめり込んで 、いまは写真を撮るのがちょっと好きで、産まれたばかりの娘が溺愛している、いつかコーヒー屋をやりたいなーと思っている海外駐在員としてアメリカ在住のしがないサラリーマンのブログ・・・。

日本人としてできること(海外赴任で考えること)

一般的に海外に赴任している日本人は、
年間1,000万円というコストがかかるとされている。
給与だけでなく、住居や手当など、関連費用の合計だ。

企業はそれだけのコストをかけて自分を海外に送り出した。

前回の赴任地には5年いた。
その費用は単純計算で5,000万円になる。目玉が飛び出る金額だ。
もちろん組織に対してコミットメントがあり、それを実行することが役割の一つ。
それでもなぜ敢えて日本人の自分が海外のその会社にいるのか・・・。
その国の人ではなく、なぜ日本人の自分なのか・・・。
自分に課せられた役割とは一体なんのか・・・。

自問自答を繰り返す。

その国のことを知るには、
その国の習慣に従い、
その国の食事をして、
その国の言葉を話して、
その国の人と同じように暮らす。
たぶん、それがその国のことを本当に知ることなんだと思う。

前はマレーシアにある日本企業、今はアメリカにある日本企業に身を置いてる。

その国の習慣や慣例に従うところと、
日本人として譲るべきないことがあると思っている。

その境界線をどこに置くか、未だに悩み考え続けている。

例えば、時間の考え方。
マレーシアでは、
10時に人と会う約束をして、10時にその人が現れることはほとんどない。
10分の休憩で、10分で休憩を終えることない。
何においても時間の捉え方が圧倒的に違っていた。

結婚式の招待状をもらい、開始時間は19時と書かれている。
日本人はバカみたいに19時に来るから、20時と言ったほうがいいよ、
というマレーシア人の間での常識があるくらいだった。

当たりだけど、日本人は日本国外では外国人だ、
ということを改めて認識していないといけない。

マレーシア人は時間を守らない、
というのは日本人が日本人の感覚をもって言っているだけであって
マレーシア人にとって「時間を守る」は、そもそものまったく違うことなのかも。

「時間に関して、なんでそんなにうるさく言うの?」
と聞かれると、実は答えに困ったりする。

生まれたときから、時間を守れとうるさく言われ、
遅れると怒られ、いつしかそれが当たり前になる、っていう環境にいた。

だから、そんな素朴な疑問に簡潔明瞭に答えることが出来なかったりする。
「時は金なり」という御託を並べても、彼らにはなんにも響かない。

時間の考え方以外にも、
赤信号でも交差点を突き進む、
2輪車が逆走する、という光景を見るのは日常茶飯事だった。

もちろんマレーシアの道路交通法では違反となる行為であり、罰則の対象。
おかしいし危ないだろう、という声を上げても、返ってくる答えは、
「Welcome to Malaysia」

それが文化であり習慣であるという事実を受け入れなければいけない。

良い悪いは別にして、それが事実であって、
それがその国の文化であり、習慣であるということ。

そして、その文化や習慣を変えることはそんなに簡単なことじゃない。

でも、自分には譲れない境界線がある。
時間もそうだし、整理整頓も、清潔も、いわゆる躾けにあたる部分かも知れない。

なぜ、ここまで違うのか。
多くのマレーシア人は、日本はすごい、という感想を持っている。
でも実践できない。
なぜ、なのか。

多分、根底には、教育制度とか、
大人になるまでの過程が大きく関わっているんだろうと思う。

世界の中で日本の教育が最強なのかというとそんなことはないはず。
(というか、日本の教育、というか先生にそれなりの不満をもっている。
 でも本筋とは逸れるからまた今度・・・)

いまのマレーシアの学校が何を教えているのかわからないけど、
マレーシアの成人は、その多くがちゃんとしつけをされていないように感じた。

行儀とか、礼儀作法とか、授業だけではなく日々の生活の中で。

平気で、並んでいる列に横入りする大人が普通にいる。そして唖然とするわけで。
日本は欧米の比べて幼少期のしつけが甘いと言われているけど、
それから更にレベルが下がるのが東南アジアの水準なのだろう。

繰り返しになってしまうけど、教育制度とか、しつけとか、礼儀作法とか。
一個人が騒いだところでどうにかなるほど簡単なことじゃない。
でも、ひとつの企業として文化を築くことはできるかもしれない。

自分達が叩き込まれた道徳は、きっとこの国にも必要だと信じていた。
自分も小さな頃に親に言われたことの意味を、今になって気付くことのほうが多い。

日本人が優っている、という間違った考え方を持つべきでは無いし、
そういう考え方で入っていたら、変なことになるのは間違いない。

結局のところ、本当にその人のことを思っているのかどうなのかってことなのかな。