しがないサラリーマンのブログ

昔はバンドにのめり込んで 、いまは写真を撮るのがちょっと好きで、産まれたばかりの娘が溺愛している、いつかコーヒー屋をやりたいなーと思っている海外駐在員としてアメリカ在住のしがないサラリーマンのブログ・・・。

アメリカで働いて思ったこと

アメリカにある現地会社の人事部門の人間(日本人)から

管理監督者をやっている日本人出向者向けにトレーニングをやろうと思っている。

部下であるアメリカ人との接し方で困ったことがあれば教えて欲しい。

それを参考に、トレーニングのコンテンツを考えたい、

という旨の相談を受けて、真面目に考えた。 

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アメリカ人は・・・

これは多分多くの日本人に当てはまる気がするんだけど、

何かにつけて・・・

 

アメリカ人だから・・・むにゃむにゃむにゃ、という言い方をする人がとても多い。

アメリカ人は・・・・進捗管理をしない」とか

アメリカ人は・・・・スケジュールを立てない」とか

ぼくはそう考えないようにしている。

アメリカ人だから、なのではなくて、その人がそういう人だから、と。

 

ぼくに言わせれば、日本人にだって進捗を管理しない人もいれば、

スケジュールを立てない人だっている。

もっというと進捗を管理しているようで実態が表現されていない、とか、

スケジュールを立てているようで、他の人が見ても理解できない、とか、

もっとたちが悪い気がする。

 

でも現実問題として、ドキュメント作成は好きじゃないんだろうね。

(やっぱりかい!)

日本人がやるような緻密なエクセルとか、パワーポイントは作らない。

伝えることは口で説明する。

何かをドキュメントにまとめて説明することはしない。

それに価値を感じていない、と言った方が正しいと思う。

 

価値観の違いとは、その名の通り、何に価値を見いだすのか?

綿密なスケジュールに価値を感じる人もいれば、感じない人もいる。

それだけのこと。

 

アメリカ人にはそこに価値を感じない人が多い。

ぼくも時と場合によってアメリカ人よりになる。

 

本当の意味でのアメリカは西側じゃなくて東側

自分が今住んでいるのはアメリカの東側。

昔、鉄鋼で栄えたいわゆるラストベルト(Rust Belt)

 

保守的な人が多く、トランプの支持基盤だと言われている。

保守と言えば、キリスト教最高、同性愛反対、白人一番みたいなイメージ(個人的な)

結構びっくりしたのは、ダーウィンの進化論を信じてない人が多いこと。

言われてみればキリスト教だから当たり前なのか。イスラム教と一緒。

 

アメリカ人の人事部長が考案したリーダー研修というやつに放り込まれた。

その中で使われた教材の一つが、映画「タイタンズを忘れない

黒人と白人が入り混じりを始めた当時のアメリカンフットボールチームの話。

 

デンゼルワシントンが演じるコーチが白人と黒人のチームをまとめあげるんだけど、

そのリーディングやマネージングについて、かと思いきや・・・

映画をなぞって、今のシーンではなに気が起きた?という問答を何回も繰り返す。

映画が終盤に差し掛かると、当たり前のごとく、チームはまとまるわけだ。

 

いかにもアメリカ人が好きそうな映画だけど、

人事がなにを意図してこの映画を見せたのかは、まったく汲み取れなかった。

 

あとで聞いたんだけど、この人事部長は何かにつけて人種差別に関する映像作品を

見せるらしい。黒人を受け入れた白人は素晴らしいとてでもいい

 

白人と数名の日本人しかいないこの研修で、人種差別を題材にした映画を見て、

最終的にいい映画だ、的な話に落ち着く。なんか滑稽だった。

 

差別はなくなったのか?

会社の規定に、元軍人を差別するな、という文面がある。

(こんな直接的な表現じゃないけど)

 

前に言葉遣いが悪いという理由で、元軍人が解雇されていた。

いわゆる、Fワードを常用していた。

口を開けば、武器のこととか。戦闘の最前線で起きたことを生々しく話す。

そんな人は周りから煙たがられれる。余計にフラストレーションがたまる。

従業員が連名で辞めさせろという署名をしてきて、流石の人事も行動を起こした。

 

想像だけど、きっとこの元軍人のメンタルは少なからず壊れている気がする。

治療が必要なのかもしれない。

ぼくが、そんな人に対峙したときに許容できる自信はまったくない。

だから、軍人を差別するなということをあえて規定に書かないといけないわけで。

会社が、治療をさせるという制度をもつ企業もあるみたい。

 

差別がないなんてことはきっとあり得ないんだと思う。

 

自分の会社では100名くらい入るである、いわゆるホワイトカラーの従業員に

黒人は1人もいない。なぜか?人材がいないのか?多分違う。

白人しかいない人事部門のスクリーニングで、弾かれているのが理由だと思う。

 

勘違いしていたんだけど、白人や黒人の比率を義務化している法律はなく、

あくまでも努力目標らしい。

ただ世間からの目を考えて、一定数の黒人を雇うことが推奨されている。

原告は従業員で、会社を訴えた。移民であり、アメリカが母国ではない。

周りの白人は昇格するが自分にはいっこうにその機会がない。

さらには、自分より仕事ができない人が昇格したと感じたようで、

会社を相手取り、訴訟を起こした。

 詳しい話は書かないが、状況を客観的に見て差別していると思う。

 

いろいろ思うこと

幸せなことに、多民族国家イスラム国家のマレーシア。

移民国家で戦勝国アメリカ。ふたつの国に暮らし、仕事をしてきた。

 

アメリカの貧困層は、マレーシアよりも逼迫している気がする。

マレーシアでは直接従業員、いわゆるオペレーターの人でもみんなスマホ持っていた。

ここアメリカでは、銀行口座を持っていないような人が多い。

スマホはないし、読み書きができない教育水準の人もいる。

 

自分の価値観は大きく変わり、

日本のまだまだ単一的、画一的な社会生活への違和感は膨れ上がるばかり。


日本でもアメリカでも、

今まで築かれた価値観というものが吹きとばされたような感じ。

 

白人中産階級の怒りが爆発したみたいに、貧富の格差が極端に広がり、

グローバルゼイションがそれを加速させているのか・・・?

 

この国は1%の人間が全体の45%の富を握っていると言われている。

これじゃどうしようもない。

51%の賛成があれば何をやってもOKという感じ。

民主主義が根底から揺さぶられているような気がする。