しがないサラリーマンのブログ

昔はバンドにのめり込んで 、いまは写真を撮るのがちょっと好きで、産まれたばかりの娘が溺愛している、いつかコーヒー屋をやりたいなーと思っている海外駐在員としてアメリカ在住のしがないサラリーマンのブログ・・・。

日本人の責任の考え方

個人的に面白いと感じる話を聞いた。

同僚の奥さんと、自分の妻との会話を聞いたときに思ったこと。

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ある週末のできごと・・・

その同僚家族は、土日の週末を使って一泊の遠出をしていたらしい。

家から車で2時間くらいのところ。

 

土曜日の夜には知人と合って食事をして、翌日の日曜日にはショッピングをして帰るはずだった。

家族はショッピングを楽しみにしていたんだと、容易に想像できるわけだが・・・。

 

で、自分たちが働く会社で、その土曜日の夜にトラブルが発生。

部門の長であるその同僚は、部下から電話でそのことを知ったようだ。

問題は、ものの出荷に影響を与え、収支に影響を来す重大な問題。

でもこれが1度目ではない。

 

そんな問題をなぜ放置しているんだ?というもっともな意見をもらいそうだけど、

いろいろな事情があってそういう状態になっている。

あなたは、この場合どの用に立ち回るだろうか

この同僚が何をしたかというと、日曜日に予定されていたショッピングをキャンセルし、

日曜日の朝一には帰って、出社することを決断した。

当然ながら、家族からは大ブーイングで、巡り巡って、自分の妻がその話を聞いようで。

 

なぜそういう行動をとったのか本人には聞いていないけど、おそらく責任感というやつ。

ここで考えを巡らせる。

 

その同僚は、部門長であり、部下に課長がいて、その下には各領域専門の担当がいる。

それに対して、ここでいう”責任”とは一体何なんだろうか。

 

部下が懸命に対応している。

責任者の自分が現場にいないでどうする。だから直ちに現場に向かうべきだ。

というがこの行動の源泉にある基本的な考え方だということがなんとなく想像できる。

 

部下によってはありがたいという人もいる。

休みに自分は頑張っているのに上司は遊んでいる、ということを言う人がいるのも事実。

部下が遅くまで頑張って働いているから、上司の自分もそれが終わるまで付き合おうという類の考え方。

この考え方は間違いなく合理的ではない。人間的かもしれないが・・・。

 

会社の頂点は社長であり、上司の上司の上司の・・・・は社長になる。

部下が懸命に頑張っているから、自分も現場で・・・となると、

芋づる式に全員現場に出てくることになる。(極論だけど)

でも、事実、そういうことなんではないかと・・・。

責任と権限について改めて考える

ぼくは、これを超日本的な仕事のやり方だと思っている。

責任の所在がものすごく不明確だから。

 

もう一度振り返って、その時の”責任”とは何かを考える。

 

トラブルを解決する責任?

トラブルを把握する責任?

トラブルを上司に報告する責任?

部下が頑張っているのを現場で見届ける責任?

現場現物現実を最優先にする責任?

 

いろいろ思いつく限りの”責任”を上げてはみるものの釈然としない。

 

部門長は、部門で掲げているKPIを達成する責任を持っている。

それを達成するために、組織を管理して動かすということを日々するべき。

だから、上に書いたどれにも直接的に責任を持っていない。

 

会社の社長が、利益に対しての責任がある。利益が出ていれば良い。

その利益をどうやって得たか、コンプライアンスの問題さえなければ誰も気にしない。

 

組織のKPIをもとに、各領域の担当は自分たちの目標を立てて、それを全うする責任がある。

その責任を全うするための権限も与えられているべきだと思う。

その責任を果たせなければ、給与はもらえない。もしくは解雇される。

部門長は、あくまでも組織の目標が達成できるように、他で稼ぐということも考えられる。

それがポートフォリオというものだ。

 

少なくとも責任者が現場に赴いて、問題の解決が飛躍的に加速するのであれば、現場に行けばいいが、

今回の件は、その結果は得られない。それだけ専門性が高い仕事を各領域に担当が配置されている。

多くの場合、こんな感じで責任者は特に実務面ではなんの役にも立たないと思う。

 

でも、直感的に、日本人にはまだこういう働き方を称賛する文化が残っている気がする。

簡単な話、遅くまで働いている人は評価され、はやく帰る人は評価されない。

 

日本では簡単に解雇できないから、責任を与えても意味がない、という根本的な問題はあるにしろ、

もっと部下に責任と権限を持たせる。出来なかった厳しい評価をつける。

 

こういう考え方を持たない限り、働き方は変わらないんじゃないかな・・・。